【売上ホステス】
銀座クラブの専門用語
【意味】
「売上ホステス」とは、一言で言うと、「個人のホステス一人ひとりが、店という場所とそこで提供されるサービスを利用できるように、店側とある種の契約関係を結んだ上で接客業を営んでいる個人事業主」といえるだろう。「売上ホステス」はある面で個人事業主なのである。
まず、売上ホステス達は「自分を指名した客」、つまり「自分の客」を持っている。また、客にとって、「自分が指名したホステス」は「自分を受け持っている売上ホステス」のことであり、これを「係のホステス」または「担当のホステス」と呼ぶ。
このあたり、呼び方は別にしても「お水の花道」の中での「自分を指名してくれる客」と「自分が指名したホステス」に相当するわけで、このドラマ同様といえるだろう。
銀座の高級クラブでは、この「自分の客そのものの数」ではなく、「自分の客が店で使う金額」によって、よりストレートにナンバーワン等のランクが決まるのである。「自分の客」が店で使ってくれた金額が一番多いホステスが、その店のナンバーワンなのである。
もちろん「自分の客」が多いに越したことはないのだが、いくら自分を指名する客が多くても合計売上金額がトップでなければナンバーワンになることはできず、逆に理論的には、たった一人の「自分の客」が他の売上ホステスの客たちが使う金額の合計額を上回る金額を使ってくれればナンバーワンになれるわけである。
したがってナンバーワンを狙う「売上ホステス」は「自分の客が一人でも多く店に来てくれるように」営業するのと同時に、「自分の客が1円でも多く金を使ってくれるように」必死に営業するわけである。
しかも、ただただ「たくさん使って!」という「おねだり営業」じゃあ銀座の客にはつうようせず、長続きするわけもないため、常に「銀座ホステスの接客術」を磨く必要が出てくるわけである。