
【ヘルプ】
銀座クラブの専門用語
【意味】
「売上ホステス」の営業活動をサポートする役割のホステスが「ヘルプ」である。
売れっ子の「売上ホステス」ともなれば、「自分の客」が5組、6組くらい同時に来店するなどというケースもしばしば発生する。こうした状況下では、一組の客が何時間も彼女を独占するというのは極めて難しいことになる。
売れっ子の「売上ホステス」は、まさに「蝶」のように「自分の客」のテーブルからテーブルへ、ヒラヒラと回る。そこで「ヘルプ」の出番。「係のホステス」が別のテーブルについている間、待っている客の相手をする。
このとき、待っている客を飽きさせない接客を求められることはもちろん、「客のボトルを一緒に飲んで減らす」等、売上にも協力しなければならない。「代打で必ずクリーンヒットを打つこと」を求められているようなものである。そのくせ、典型的な女の職場であるクラブのこと、「代打がいきなりホームランを打った」ら憎まれるケースも少なくない。
これがうまくこなせるようになると、「良いヘルプ」として「売上ホステス」たちにも重宝され可愛がられて、彼女たちが担当している「いいお客」のヘルプを任されるようになり、お客たちにも人気が出たりするのである。
つまり、「売上ホステス」を目指す「ヘルプホステス」にとっては、将来への布石になるという訳である。
もちろん、「売上ホステス」が自分の客がいないときに、他の「売上ホステス」のヘルプに回ることも日常茶飯事で、自分の客以外の客から声がかかることもよくある。「売上ホステス」同士の協力も必要不可欠なのである。同時に、当然ながら「売上ホステス」同士は仕事上のライバルでもある。
こうした「売上ホステス」同士とか、「ヘルプ」の間の人間関係にもさまざまなドラマが生まれる。